手番ですよ。

2012年02月22日

第28回「『リスクレガシー』、こいつはヤバい!」

なんともすごいゲームが発売された。
その名は「リスクレガシー」。
四大古典ゲームの一つとしても知られる「リスク」シリーズの最新作である。
この「リスクレガシー」がすごいらしいと噂に聞いて、早速アメリカから取り寄せてみた。
・・・すごい。
これは、本当にすごい。そのすごさは、私の想像のはるか上を行っていた。ぶっちぎりのすごさ。
というわけで、今回の「手番ですよ。」では、その「リスクレガシー」をどどんと紹介してみようと思う。

さて、「リスクレガシー」自体の紹介に入る前に、「リスク」とはなんぞや、というところに触れておきたいと思う。
ジャンルでいうと「マルチウォーゲーム」にあたる「リスク」は、まさにそのジャンル名が示す通り、世界を舞台に各プレイヤーは、勢力を率い軍隊を指揮し、戦いを繰り広げることになる。目的は、世界征服だ。
最初の版が出版されたのは1957年ということもあり、移動や戦いのルールは、ごくごくシンプルなもの。
テーマはかなりハードなものではあるが、手軽なウォーゲームとして、ファミリーゲームの定番として主にアメリカでは遊ばれている。

そして、「リスクレガシー」だ。
日本でも、ことあるごとに「人生ゲーム」の派生作が発売されるが、アメリカでも似たように「リスク」の派生作が実に多い。
「トランスフォーマー」や「ヘイロー」と言ったキャラクターを乗せたものや、神々の戦いをテーマにした「リスク:ゴッドストーム」など、多くのタイトルが発売されているのだけれど、今作、「リスクレガシー」は、今までの派生作と一線を画していた。
繰り返しになってしまうが、これは本当にすごいタイトルだ。




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硬派なパッケージ!





舞台となるのは、地球。しかし、ここは私たちの住む地球ではなく、そっくりに複製されたもうひとつの「地球」。
この地球において、人類の歴史は浅く、さまざまな勢力がひしめきあってはいるものの、まだ激しい戦闘が起きたことなく、戦いの「夜明け前」というところ。これから、このゲームに参加するプレイヤーたちは、もうひとつの地球における戦いの歴史を見届けることになる。
と、バックグラウンドを語ると、そんなところだろうか。
まあ、なんつうことはない、普通の「リスク」である。(笑)




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一見しただけでは「シンプルなリスク」だ





じゃ、なにがすごいのか。
これから流れとシステムをざっと書かせていただくが、それに目を通していただくだけで、このゲームの持つ「凄さ」はおわかりいただけるのではないだろうか。

ゲームをはじめてプレイする時に、各プレイヤーは、まず勢力を選び、その勢力を表すボードと特殊能力が書かれたシールを二枚受け取る。
自分の勢力が持つ特殊能力を選ぶことが、ゲームをはじめてプレイする時にまずプレイヤーが行うことだ。シールには、それぞれ異なる特殊能力が書かれており、プレイヤーは、どちらか一方を選ぶのだ。
特殊能力を選ぶということ自体は、取り立てて珍しいことではないが、ここからして「リスクレガシー」は違う。
二枚受け取ったうちの一枚を選び、そのシールを自分のボードに貼る。そして残った一枚は、破棄。
貼られたシールは、当然、剥がせない。未来永劫、そのままである。もう一枚の破棄する方は、文字通り「破棄」。破いて棄てることになる。
この、もうひとつの地球では、選択が行われた時点で、その選択が大きな選択として刻まれるのだ。




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さあ、どちらを選ぶ?





そして、いよいよゲーム開始。
ゲーム本編は、シンプル過ぎるほどにシンプルな「リスク」だ。軍隊を動かし、勢力を拡大していく。
ほかの勢力の勢力下にある地域へ動かした場合は、サイコロを使った戦闘が行われる。
土地や、戦いに勝った際にもらえる都市カードごとにも差はなく、サイコロの目がもっとも重要になるという、ここ最近の、進化しまくった、ヴォリュームはあるが洗練されたゲームをやり慣れている身としては、正直、まったくもってもの足らないものと言わざるを得ない。初代「リスク」が発売された頃は、これで十分だったのだろうが、今は、2012年なのだ。
だが、ここで「リスクレガシー」を「つまらない」と見限るのは厳禁だ。2012年の「リスク」がそこにはあるのだ。
たとえば、ゲーム開始時に配られる特殊なカード。
戦いの際に使うことのできるカードをプレイヤーは持つことになる。
そのカードを使うことで、防空壕を作り防御力を上げるといったことが出来、使い方次第で戦いを優位に勧めることができる。
こういったカードの存在自体、ゲームの一要素としてはありがちなものではあるが、そこは「リスクレガシー」。このカードの使い方もまた、思い切った、そしてとんでもないものになっている。
カードを使い、防空壕を作ったとする。そのプレイヤーは、防空壕のシールを受け取り、ボード上の対象となった地域に、その防空壕のシールを貼る。これで防御力アップだ。
そう、さきほどの勢力ごとの特殊能力の選択と同様に、カードを使うことで建てられる建物もまた、ボード上にシールを直接貼ることで表現されるのだ。その建物は、歴史的建造物として、このもうひとつの地球に刻まれるのだ。
この「リスクレガシー」では、すべてがこのように、プレイヤーの行動一つ一つが、歴史上の出来事として刻まれることになるのだ。




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防御施設が建てられた東アフリカ





ほかの要素についても、同様だ。
都市が発展したならば、その都市のカードに発展度を表すシールを貼ることで、その発展を表す。もし、その都市が、地球上から消滅したならば、そのカードは破いて棄てられる。説明書に実際、そのように書かれているのだから、仕方がない。
そして、これらの要素は、一度ゲームの決着が付いたとしても変わらず、次のゲームに引き継がれる。「前のゲーム」は、すなわち「前の時代」というわけだ。「前の時代」までに発展した都市は、やはり発展したまま、作られた建物は歴史的建造物としてそこへ建ったまま。そのもうひとつの地球では、そのような歴史が刻まれたわけだから、当然と言えば当然だ。




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こんなふうにシールを貼ることで都市が発展するのだ





そして、ゲーム終了。
世界をその手中に収めた勝者は、その絶大な権力を行使することができる。
たとえば、世界のどこかに自分の都市を作る。そんなことができる。
ボード上に自分の都市を作ることができるのだが、それもまたシールを貼り、作ることになるのだ。しかも、そのシールには、都市の名前を書き入れる記入欄があり、好きな都市名を付けることさえ出来る。ゲームの勝者は、その時代の覇者であり、そのくらいの力を持っているわけだ。
その都市は、次の時代、すなわち次回以降のゲームにおいて、意味を持つことになる。

こうして、繰り返し遊ぶことで、もうひとつの地球は、非常に存在感を持ったものとなるだろう。

そのほか、ゲームを繰り返し遊ぶ中で、特定の条件を満たしたならば開けられる「封印されたカードセット」も見逃せない要素だ。
ふたの裏、厳重に封のされたカードのセットがいくつか用意されている。
それらは、封の上に書かれた「来たるべき時」が来たならば開けられ、ゲームに使われることになる。
そのカードがもたらすものは、秩序か、それとも混沌か。
ゲームを繰り返し遊ぶ中で、これほどの「うねり」を味合わせてくれるゲームがほかにあっただろうか。




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危険なにおいがプンプンじゃないか!





そして、15回という長きにわたる戦いが繰り広げられたならば、そこには、自分たちだけの「もうひとつの地球」が姿を現すだろう。
もうひとつの地球では、荒廃したアメリカ大陸が広がっているかもしれない。
もうひとつの地球では、アフリカ大陸に強大な軍事国家の面影をみることになるかもしれない。
そう、それが「リスクレガシー」なのだ。

実は、「リスクレガシー」には、もうひとつ、大きな秘密がある。
もし、この記事を読んで興味を持ち、実際に手に取った人がいたならば、箱を開け、中箱を丁寧に取り出し、箱の底をぜひ見て欲しい。
その先、そこからの選択はあなたに委ねよう。




お知らせです。

さて、ここでお知らせです。
みなさまにさまざまなボードゲームの話題をお伝えしてきた当連載ですが、定期的な更新が難しくなったため、これからは不定期更新とさせていただきます。
楽しみにしていた方には、大変申し訳ないところですが、その分、濃い内容でお届けできたらと思っております!
回数は減ってしまいますが、これからも「手番ですよ。」とよろしくお願いします!








posted by タナカマコト at 11:10| Comment(0) | 第26回〜第50回
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