手番ですよ。

2013年02月22日

第33回「『uDraw』でピクショナリーを遊ぶ!」

さらば、THQ

2012年に倒産してしまったコンピューターゲーム会社「THQ」をみなさんはご存じだろうか?
過激でぶっ飛んだ演出で人気となった「セインツロウ」シリーズや、大規模な破壊演出が魅力のサードパーソンシューター「レッドファクション」、独特のダークファンタジー的世界観とダイナミックなアクションが楽しい「ダークサイダーズ」シリーズあたりが洋ゲーファンにはお馴染みだろうか。
そのほか、PCゲームでは、極めて高い完成度を誇るリアルタイムストラテジー「カンパニー・オブ・ヒーロー」が有名なゲーム会社である。
そのTHQが、2010年にWiiで発売し、大ヒットしたのがタブレット型コントローラー「uDraw GameTablet」(以下、「uDraw」)だ。
この「uDraw」、2011年にWii版の大ヒットを受けてPS3版、Xbox360版を立て続けにリリース。そして、これが100万台以上売れ残るという、ちょっと桁外れの大コケとなってしまい、THQ破産の引き金になったと言われているのだ。
いわば、いわくつきの商品と言えるわけだが、この「uDraw」、私のような好きものボードゲームファンにとっては、実は魅力的な商品だったりする。
というのも、伝説のお絵描きゲーム「ピクショナリー」がuDraw専用ソフトとしてリリースされているのだ。
今回の「手番ですよ。」では、この「Udraw」のXbox360版と専用ソフト「Pictionary:Ultimate Edition」を実際にプレイした上で、紹介してみたいと思う。
ちなみに、この「uDraw」、日本語版は当然のごとく発売されておらず、日本語で読むことのできるレビューは、私の知る限りではない。ひょっとしたらかなり貴重なレビューかもしれない。(そもそも、「uDraw」のレビューを読みたい人がいるのかどうかは怪しいところである)




まず、タブレットコントローラーを見てみる

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パッケージ



「uDraw」はタブレット型のコントローラーであることは前述した通りだが、ひょっとしたら読まれている方の想像しているものは、いくつか種類があるかもしれない。
「uDraw」は、タブレットPC的な「タブレット」ではなく、PCと繋いでスタイラスペンを用いてイラストを描くときに使う「タブレット」だ。
コントローラーの中央にタブレット部があり、左右に十字キーとボタンが配置され、上部にスタイラスペンを収納する場所が設けられている。
感圧式のようだが、あまり精度は高くないようで、押し込まれているかいないか程度の認識しかされていない印象を受けた。
また、タブレットの四つ角がちょうどテレビの四つ角になるようになっているため、大型のテレビと接続している場合は、スタイラスペンを動かした感覚とテレビ内での実際の動きの感覚があまりに違うことに戸惑ってしまうかもしれない。
付属のスタイラスペンを使うだけでなく、指での操作も一通りは対応しているようだが、タップの感覚があまりよくなく、誤操作となってしまうことが多いように感じられた。
「ゲーム機用の」と割り切って使う分には悪くない質だとは思うが、iPadなどで直感的な操作というものへのハードルが高くなっている昨今には正直厳しいクオリティかもしれない。
軽量、コンパクトというのは非常にいいし、ボタンやキーの位置も悪くないのだけれど、肝心な「タブレット」としての出来としては残念なところだ。




では、ゲームを試してみよう

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Pictionary:Ultimate Edition



続いて、実際にゲームをプレイしてみよう。
「uDraw」には、もともとお絵描きソフトが付属しているのだけれど、この連載は、ボードゲームの話題をお届けしている連載である。
付属のソフトには一切触れず、専用ソフトの「Pctionary:Ultimate Edition」(以下、「ピクショナリー:アルティメット」)を試すことにする。
この「ピクショナリー:アルティメット」は、その名の通り、お絵描きゲームの大名作「ピクショナリー」をゲーム機上で遊べるようにしたものである。
「ピクショナリー」は、カードによってランダムに決められたお題をイラストで書き表し、パートナーとなるプレイヤーに伝え、当ててもらうことによってボードを進んでいき、先にゴールすることを目指すゲームだ。
「ピクショナリー:アルティメット」では、画面にボードと駒が表示され、駒が進んだところでお題が表示、タブレットで絵を描き、画面を見て当てることになる。
言ってしまえば、「もとのアナログゲームを単純に画面上で出来るように置き換えただけ」だ。もともとは紙のパッドにペンで絵を描くため、常に同じような線、そしてモノクロとなるのだが、こちらでは各種ツールを選ぶことが出来、また、色の選択も可能ため、その分、表現力豊かにイラストを描くことができるという差はあるものの、際だった差には感じられない。
回答の仕方については、もっと寂しい。
もテレビの中で操作や判定が行われるわけでなく、テレビの「こちら側」で自由に(もともとのピクショナリーと同様に)回答を言い合って、正解したなら、「正解者が出ましたよ。」ということをボタンで入力するだけなのだ。回答を入力、そして判定なんてことを画面上でやっていては面倒くさいだけのような気もするが、だからといって、これではゲーム的な仕掛けとしては物足りない。
ちなみに、お題も出題者が画面で確認している間、他のプレイヤーは顔を伏せて目を瞑り、画面を見ないようにしないとならない。なんとも中途半端なアナログ感である。
うーむ・・・。正直、これでは・・・というところである。




しかし、それだけではない!

さて、「ピクショナリー:アルティメット」、ここまでの内容だったら、私は紹介しなかっただろう。
しかし、「ピクショナリー:アルティメット」は、それだけのタイトルではない。
次に紹介する「マニアモード」
このモードこそ、アナログゲームとデジタルゲームの融合を目指した意欲的なゲームモードであり、私が今回、この連載で紹介しようと思わせてくれた大きなポイントなのだ。
このモード、ゲームの基本的な進行は同じなのだが、出題者が「絵を描く」部分はかなり挑戦的なものになっている。
「毎回、特別な効果が起こる中で描かなければならない」のだ。
例えば、画面上の「紙」が左から右へと動き続ける中で描かなければならなかったり、インクの量に制限があったり、点描になってしまう、一定間隔で画面が暗くなる、ペンの動かし方と実際の動きが反転してしまう、なんていうのもある。
これは新しい。そして、もともとのアナログゲームとしての「ピクショナリー」では、絶対にあり得ないモードである。

しかし、このモードが成功しているかというと、そうではないのがつらいところだ。
どの効果も最初は驚きもあって面白いのだが、「ピクショナリー」のゲームとしての面白さを引き上げているかというと微妙だし、「ピクショナリー」をゲーム機上でプレイする、という根本的な部分がそもそもイマイチなため、いくら意欲的なことをやろうとも、そもそも面白さを感じられないのだ。




総評!

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見た目は賑やかで楽しそうなのに



私はTHQというメーカーが好きだったこともあり(日本未発売のキネクト用エクササイズソフトも持っているくらいである)、やや甘いレビューにするつもりだったのだけれど、ひいき目に見ても、厳しい評価とならざるを得ない。
アナログゲームの「ピクショナリー」が入手しづらいことを考えると、パッドとペンを用意するかiPadに質の高いお絵描きアプリを入れるかして、お絵描きはそれでやって、お題の決定とボード、駒の部分を「ピクショナリー:アルティメット」でやる、ということに多少の価値は感じられるものの、だからといって、私の中のネガティブ評価を覆すにはほど遠い。
ゲーム好きとしての話のタネに極度に飢えているか、よほどのマニア、THQファン、専用コントローラー好きということでもなければ、手を出さないのが賢明だろう。

Pictionary: Ultimate Edition(THQ / Xbox360,PS3)
20点 / 100点




 

TendaysGames



posted by タナカマコト at 17:02| Comment(0) | 第26回〜第50回
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