手番ですよ。

2014年01月22日

第45回「ゲームショップ店長が年末年始、個人的に遊んだゲーム」

気がつけば2014年の1月も下旬。
年末年始をネタにするには、ちょっと時期を逃してしまった感はありますが、今回の「手番ですよ。」では、「年末年始に、ボードゲームショップの店長が個人的に遊んだゲーム」と題しまして、私、タナカマが年末年始に複数回遊んだゲームを中心に、紹介しておきたいゲームを書いてみたいと思います。

年末年始の大型連休、ここぞとばかりにゲームを遊んだ方も多いかと思うのですが、それはゲームショップの店長である私にとっても同様でありまして。
最近お気に入りのゲームから、普段、なかなか遊ぶことのできないゲームなど、いろいろと遊んだわけです。
「ゲームショップ店長があくまで個人的に遊んだもの」、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
というわけで、早速紹介していきたいと思います!




ダイスデビル

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個人的2013年ベストとなる「地獄の釜」と並び、2013年にリリースされた二大悪魔ゲームのもう一作。これも「地獄の釜」に並んで素晴らしい!
場に並べられたチップの中から、欲しいチップを宣言して、もし、他の人とかち合ったら、あらかじめ振ってあったサイコロを公開して、サイコロ勝負!もちろん、勝った方がチップを獲得します。
これを繰り返して、より高得点となるようにチップを集めたプレイヤーが勝利となります。
ごくごくシンプルなサイコロ勝負を繰り返していくだけのゲームではあるのですが、サイコロ勝負の際に、それぞれのパートナーとなる悪魔の能力を使えるというのがミソ。
「通常は2個振るところを3個振り、大きい目のサイコロ2個を使える」「サイコロ勝負に勝ったならば、その勝負に加わっていた他のプレイヤーから1点のチップを奪える」「サイコロ勝負の際に、同点でも勝てる」といった能力は、ぱっと聞いただけでは地味ながら、これが実によく利いていて、しっかりドラマを生んでくれるのです。
また、サイコロ勝負に強い悪魔や、チップを狙った通りに集めやすくする悪魔など、キャラクター付けも巧い。
そして、これが欲しいチップを宣言する時のブラフ、駆け引きにも繋がってくるのだから、唸らされるばかり。
ダイス勝負に強さを発揮するイケイケ系の悪魔は、それらしく描かれ、また特別なサイコロとカップも使うことになるなど、雰囲気作りもうまく、強い悪魔を使っているプレイヤーは、態度も大きくなっていくから笑えます。この辺りの、ルールに描かれていない部分で盛り上がるというのも、いいゲームの証拠だと思うのです。
年末年始、立て続けに遊んだタイトル。メンツが変わっても同じでも、サイコロを使ったゲームは毎回ドラマを生んでくれます。

テンデイズゲームズ:ダイスデビル




5本のキュウリ

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トリックテイキングでありながら、スート無し(よって、フォローのルールもなし)、負け抜け方式という驚きの内容
デザイナーであるフリードマン・フリーゼは、一癖も二癖もありつつも面白さも兼ね備えたゲームを作り続けており、2013年発表の今作でも、その手腕が発揮された格好です。
配られた7枚のカードでトリックテイキングゲームを行い、最後のトリックを取らないようにすることが目的。最後のトリックを取ってしまったプレイヤーは、出したカードによりペナルティーとなるキュウリを受け取り、それが5本溜まってしまうと脱落となります。
ゲーム中は、そのトリック中に出されたカードよりも大きい数のカードを出すか、大きな数のカードがない、もしくは出したくない場合、手札の中から一番低い数のカードを出すかだけ、というシンプルさ。
シンプルなだけに、手札のマネージメントに関して自由度が低いような印象を受ける人もいるかもしれませんが、実は鋭い選択が迫られることになるのです。さらに、他のプレイヤーがどんなカードを出しているかという部分には読み合いもあり、シンプルさから来るテンポの良さもあって、これが実に熱いのです。
それでいて、ペナルティーでキュウリを受け取るという、ちょっとしたバカっぽさもあり、とにかく楽しめます。
この原稿を書いている時点では、日本では手に入りにくいのが残念であり、ショップ店長としては申し訳ないところなのですが、機会があったら、ぜひ遊んでみてもらいたいタイトルです。




サンスーシ

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2013年発表作とは思えない地味さではありますが、適度なジレンマと、45分程度でしっかり楽しめる内容で気に入っている「サンスーシ」。年末年始も楽しみました。
出したカードに対応したタイルを取り、それを並べることで庭園を造り、より高い得点を目指すという内容からして地味ですが、ゲーム中に取ることの出来るタイルの枚数よりも、並べることの出来るマスの数が圧倒的に少ないというところに気付くと、このゲームのいやらしさ(褒め言葉)がわかるはず。
一手ごとにどのように得点を獲得し、それを積み重ねていくのか。
手札は2枚のカードのみでありながら、タイルの獲得と配置は思った以上に自由度が高く、悩まされることになります。
誤解を恐れず言うならば、傑作「テイクイットイージー」の自由度を高め、ちょっとだけ場のタイルを巡る駆け引きを盛り込んだという印象で、適度なストラテジーとしては、出色の出来だと思うのです。
それにしても、この地味なパッケージをドドンと出してくるラベンスバーガー。さすがの貫禄です。

テンデイズゲームズ:サンスーシ




1846

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私の普段のゲーム環境からすると、「年末年始だからこそ遊べるタイトル」という位置づけでプレイしたタイトル。
鉄道ゲームのクラシック「1830」から派生したタイトルの一作。
プレイヤーは、投資家となり、株式を購入することで鉄道会社の経営者となり、鉄道の敷設や運行を通じ、株価を上げたり、配当を受け取ることで資産を増やしていきます。
会社の資産と、プレイヤー個人の資産が完全に切り分けられているのが、独特なところで、会社経営をしっかりと行うだけでなく、そこから個人の資産をいかに増やしていくかを考えなければなりません。
思考性の極めて高いゲームだけあり、プレイ時間は長め。
数多くリリースされている「1830」の派生作の中ではプレイ時間は短めにまとめられているとは言え、慣れた状態で3時間半くらい、通常のプレイでは6時間くらいかかってもおかしくないだけに、年末年始のまとまった時間の取れるタイミングでもなければ、なかなかプレイできないのです。
実際、この年末年始、二回ほど遊んだのですが、一回はルール説明込みとは言え8時間ほど、ルール説明のほとんどいらないメンツに変わっての二回目も5時間半ほどかかりました。
とは言え、ゲーム自体は、大変面白く、名作であることを再確認。
「1830」をはじめ、派生作の多くが株の仕手戦の側面が強いようですが、「1846」は鉄道会社の経営面が重視されており、他の作品よりも遊びやすいこともあり、ここまでの重量級ゲームをなかなか遊ばないメンツではあるのですが、なかなか好評だった様子
受注生産な上に、半年から一年待ちということがますます敷居を高くしている一作ではありますが、興味のある方は、ぜひ挑戦してみてほしいタイトルです。




今年もよろしくお願いします!

以上、四作品を紹介させてもらいました。

このほかにも多くのゲームを遊ぶことができ、年末年始のゲーム充実度はかなり高め。
いやあ、やっぱりボードゲームは最高です!
2014年もたっぷりとゲームを楽しんでいきたいですね。

というわけで、かなり遅くなりましたが、2014年も「手番ですよ。」と、私タナカマ、そしてテンデイズゲームズをよろしくお願いします!



posted by タナカマコト at 11:02| Comment(0) | 第26回〜第50回
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